コンペに提出するデモの制作過程をまとめてみました

2016年8月24日

コンペに提出するデモができるまで

プロフィールや以前の記事に書いている通り、昨年からメジャーの楽曲コンペにデモを提出し続けています。ちなみにこの記事を書いている時点で18曲を提出するも、未だに採用曲なしです。

まあ、100曲提出してダメなら諦めようという気がしないでもないですが(笑)なかなかしんどいですが地道に頑張っていきます。

今は昼に別の仕事をしているので、起きている時間すべてを楽曲制作に当てるということはできないのですが、だいたい5,6日あればワンコーラスの仮歌・仮詞入りのデモが作れるようにはなりました。ワンハーフは1週間くらいないとちょっと大変ですかね。

いずれは楽曲コンペに参加して、プロ作曲家になりたいと思っている方の参考になればと思い、デモ制作の過程をまとめてみることにしました。

1.作曲(メロディ作り)

楽曲コンペは基本歌モノなので、作曲と編曲の過程は分けて考えています。ただ、メロディを考えている時点で頭の中では、どういうサウンドにするかという方向性は決まっていることが多いですが。

最初に曲のイメージを膨らませつつ、良さげなメロディが浮かんできたらピアノに向かって、譜面に書き起こしながら作曲していきます。作曲の段階でDAWを立ち上げるということは、もう長いことしていません。

サビから作ることが多いですが、先にAメロが浮かんだらそこから作ることもありますし、イントロから作った曲なんてのもありますね。

2.仮歌さんの手配

メロディが少しできたあたりで、仮歌さんのスケジュールを押さえます。これは早めにやっておかないと、せっかく曲ができたのに仮歌を入れることができず、提出できないなんてことにもなりかねません。

私の場合、ふだん仮歌をお願いしている方が二人いて、交互にお仕事を振っているという感じです。なぜ二人かといえば、片方のスケジュールの都合がつかなかった場合に、もう一方の仮歌さんにお願いすることができるからです。

コンペは女性ボーカルの曲が圧倒的に多く、男性ボーカル曲はまだ1曲しか提出したことがありません。

お仕事をお願いする訳ですから、当然報酬をお支払いしなければなりません。私の場合ですが、ワンコーラスの場合4,000円をお支払いしています。コーラスワークが多い曲の場合などは、それを考慮して増額することもあります。

3.編曲(フェイズ1)

編曲にフェイズって一体なんだという話ですが、こう表記したのには理由があります。

仮歌の収録にも多少時間がかかりますから、締め切り間際にデータを仮歌さんに渡していたのでは間に合いません。では、いつまでに渡すのか。

締め切り日から逆算します。だいたい締め切りは朝のことが多いのですが、その場合は前日に徹夜してミックスとボーカルエディットをするパターンが多いです。よって、前日の24時までには収録したデータを納品していただいています。

あまりギリギリに渡しても申し訳ないので、納品日の2日前にはデータを渡すようにしています。つまり、締め切りの3日前です。

その日程だと、今の昼に別の仕事がある状況では、アレンジを完パケしたデータを仮歌さんに渡すことができないんです。もちろん、私の実力不足のせいでもありますが。

なので、現状はできるところまでアレンジを進めて渡す、という形になっています。

当然ドラム・ベース・コード楽器は最優先で入れます。そのうえで、可能な限りウワ物も入れていく、という感じになります。

ギターについては、バンドサウンドを押し出した曲でない限りは、この段階では入れないことが多いですね。入れたとしても、簡単なコードバッキングのみ。

4.作詞・収録用データ作成

仮歌を入れるので、仮歌詞を作ります。最近は作詞にも慣れてきて、ワンコーラスの歌詞でしたら調子が良い時は、1時間くらいで書けるようになりました。ただ、あくまで仮詞なので、意味が通っているかどうかはあまり気にしません。

歌詞ができたら譜面を作成します。譜面制作に使用しているのは、Finale2012です。

譜面をつくったら、ボーカロイドで歌詞の譜割り確認用の仮歌をつくります。

そしたら、データをひとまとめにして仮歌さんに送ります。普段送っているのは、以下の6点です。

  • ボーカロイド仮歌いりの2ミックス
  • オケのみの2ミックス
  • メインメロディのみのデータ(シンセメロ)
  • ハモリのみのデータ(シンセメロ)
  • 譜面(pdf)
  • 歌詞(テキスト)

データオンラインストレージにアップして、メールで送ります。メールの文面には歌のディレクションや、参考曲も書いておきます。注意点としては、BPMを伝え忘れないこと。

5.編曲(フェイズ2)

収録用のデータを送ったら、編曲を最後まで進めます。CPU負担とレイテンシー削減の観点から、打ち込みを全部作り終えたらオーディオに書き出し。そのあとでギターを録音します。

6.ボーカルエディット・ミックス

ボーカルデータが納品されたら、ピッチやタイミングをエディットして修正します。そのあとにミックス。最後にマスタリングで音圧をあげて、完成した音源を提出します。

ミックス関連の本では、少し前に出たこちらがかなり良かったのでオススメしておきます。

と、こんな感じにデモをつくっているのですが、参考になりましたのでしょうか。最後に以前コンペに提出しましたが、返却されてきた2曲を参考曲としてあげておきます。フリー素材としても公開しているので、動画制作などにご入り用でしたらぜひお使いください。

My Treasure

こんな日は