楽曲コンペで”心が折れない”ための心構え6カ条

2016年8月24日

楽曲コンペをどうやって乗り切るか

コンペ関連の記事はよく読まれるようなので、第3弾を書いてみようと思います。今までのコンペ関連記事はこちら。

今回は、心が折れること請け合いの”楽曲コンペ”にどのような心構えで取り組むか、ということがテーマです。

一応前置きをしておくと、コンペに勝つ方法を書いた記事ではありませんのでご了承ください。これはいつか私がコンペで何曲も採用されて、音楽だけで食べていけるようになったら書きたいですね笑

必ずしも、コンペで採用されるということだけがプロ作曲家になる方法だけではありませんが、メジャーアーティストに曲を提供するような作曲家になりたければ、まずはコンペで楽曲が採用されることが肝心です。

さて、このコンペ、すぐに曲が採用されれば良いのですが、なかなかそうはいきません。実際私は現在25曲を提出して採用ゼロです。そうなると、やはり心が折れてくるんですよね笑

したがってコンペに継続的に取り組むためには、コンペに落ち続けても折れない心が必要なのです。私も一時期コンペが嫌になりかけた時期がありましたが、今は幸いにしてモチベーションがそれほど上がらなくても、コンペに継続的に曲を提出できるようになりました(たとえ落ち続けるとしても…笑)。

もちろん、最も重要なのは良いメロディを書き、クオリティの高いデモを仕上げて提出することなのは言うまでもないです。

しかし、その前に心が折れてしまっては話になりません。そこで私の経験から、たとえ落ち続けても心が折れずに、コンペにデモを提出し続けるための心構えを6つのポイントにまとめてみました。

私と同じような境遇にある作家志望者のお役に立てれば幸いです。

1.コンペに落ちたとしても無駄ではない

「コンペに提出するために曲を頑張って書き下ろしたが、落ちてしまった…」

コンペに参加していれば幾度となく経験することです。では、曲を書いたことは無駄だったのか?

もちろん、そんなことはない訳ですね。どうしても、曲が採用されなかったという事実の方が先行してしまい、ネガティブに考えがちです。

私が意識しているのは「コンペに曲を出す=営業」という考え方です。

基本的にコンペに提出した曲は制作側が聴いてくれている(…と思うしかない笑)わけですから、たとえコンペに採用されなかったとしても、曲がよければ制作側に印象を残せるわけです。

ただ、そのためにはコンペに提出するデモを、妥協なくハイクオリティに仕上げる必要があります。

じゃあ私はできているのかというと、自信を持ってイエスとは言えないわけですが笑…少なくとも時間内でできるベストを尽くしているつもりではあります。

また、デモを妥協なく仕上げておけば、もし提出したコンペに採用されなかったとしても、別のコンペにストックとして提出することが可能です(ただし、楽曲がキープされていないかどうかは確認する必要あり)。

2.自分の成長をモチベーションにする

コンペに楽曲を出しても、落ち続けている間は作った楽曲が評価されない期間が続きます。これはなかなか辛いものです。

曲が評価されるのは嬉しいのですが、これだけをモチベーションにしてしまうと、曲に対する反応が得られなければ作り続けることができません。

ではどうするか。その答えは、見出しにも書いた通り”自分の成長をモチベーションにする”ということです。

こちらの記事でもその話題については少し触れました。

私自身、コンペに曲を提出し続けてきて、明らかに楽曲のクオリティが上がってきたと思います。最初に事務所へ送ったデモから比べると、一目瞭然です。

3.モチベーションは低空飛行でよい

コンペに挑み続けるためにはモチベーションが高い方が良いのかもしれません。が、モチベーションを常に高く保つということはそもそも不可能ではないかと思います。

コンペでは楽曲を提出してもノーリアクションということが多いですので、モチベーションを高くして臨むほど、その反動が大きいです。

かといってモチベーションがゼロというのも考えものですから、望ましいのはモチベーションをほどほどの状態に保っておくということ。

簡単なことではありませんが、自分なりに方法は見つかってきました。その一つが、次の”提出後はそのコンペのことは気にしない”になります。

4.提出後はそのコンペのことは気にしない

始めたてのころは難しいですが、コンペに曲を提出したらそのコンペのことは忘れましょう。採用されるかな…と思いを巡らせるのは全く意味がありません。

期待すればするほど、コンペに落ちた時の落胆は大きなものとなります。

それよりも、気持ちを切り替えて次のコンペに臨んだ方がはるかに有益でしょう。

5.コンペ以外にも活動の場を作る

私がDOVA-SYNDROMEニコニ・コモンズで素材を公開したり、ブログを書いたりしているのがまさにこれです。

先ほど書いたように自分の成長をモチベーションにするだけでなんとかなれば良いのですが、なかなか難しいものです。

そこで、コンペ以外にも活動の場を作り、自分の楽曲へのフィードバックをもらうという手段は有効だと思いました。そういう意味では、フリー音楽素材を配布するという活動はなかなか優れもので、楽曲の使用報告をいただいたり、自分の楽曲が作品に使われているという、分かりやすい形で楽曲への評価を受けることができます。

うまくいけば、そこから制作依頼につなげることができます。バイトでお金を稼ぐよりは、多少単価は低くても音楽でお金を稼いだ方が、経験を積めて良いと思います。

6.行き詰まったら一人で悩まない

なかなかコンペで楽曲が採用されず、どうしたものかと途方に暮れることもあるでしょう。そんな時に、改めてアレンジや作曲の勉強をしてみるのも良いかもしれません。

しかし、手っ取り早いのはアドバイスを受けてみるということです。この場合、リスナーとしての一般人の意見というよりは、その道のプロの意見を聞くのが望ましいです。

なかなか自分の楽曲を客観的に捉えるのは難しいもので、アドバイスを受けるだけでこんなこともできていなかったのか、と愕然するかもしれません。

私も少し前に、プロの方からアドバイスをいただく機会を持つことができました。これはその方と繋がりがあったというわけではなく、受講料をお支払いして授業のような形でアドバイスをもらうという形です。

プロになるための投資ですから、ここでお金を惜しむ理由はないでしょう。

プロ志望の方にお勧めしたい本

以前の記事でも紹介しましたが、プロの作曲家として一線で活躍しながら、DTMマガジンでの連載や作家志望者向け講座など、後進の指導にも力を入れていれっしゃる島崎貴光さんの著書。

作家事務所に所属し、コンペに参加してプロになりたいという方でしたが読まない手はないと思います。

こちらもプロ志望の方でしたら読んでおいて損はないと思います。作家志望者向けの養成講座「山口ゼミ」を運営されている山口晢一さんが監修されている本です。

この山口ゼミからプロになった方もいるようで、もし私がまだ預かり作家にすらなれていなければ、参加していたかもしれませんね。