海外旅行で白タク利用は危険か?|2つの白タク体験談をお話しします
海外旅行で白タク利用はOK?
白タク(白タクシー)とは、営業許可を受けた正規のタクシーではなく、一般人が自家用
車を用いて、乗客から料金を受け取り運行するタクシーのことです。
日本では少し前に安倍首相が白タク解禁に向けた検討を指示したものの、現状は違法行為
ですので街中で白タクを目にすることはありません。
しかし、国によっては白タク行為が合法、あるいは違法でも事実上市民の主要な足となり
白タク行為がまかり通っているということもあります。
ロシアや旧ソ連の国々では白タクが多い地域もあり、現地の人々も普通に白タクを使うこ
とがあります。この白タクを我々海外旅行者が使う…という選択肢はないわけではありま
せん。
基本的に白タクの利用は、特に海外旅行の上級者というわけでもなければ推奨できません。
しかし、場合によっては、守ることさえしっかり守っていれば白タクが有用な交通手段と
なるという状況もあります。
私は過去2回白タクを利用したことがあります。まずは私が白タクを利用した際の実例から。
1度目はキルギスのビシュケク、2度目は中国の北京です。1度目は白タクに乗って正解でし
たが、2度目は見事に失敗してしまいました…
ビシュケク(キルギス)での白タク実例
2014年3月に中央アジア4ヶ国を旅行した際は、キルギスの首都ビシュケクのマナス空港か
ら入国しました。マナス空港から市内へのアクセスは、マルシュルートカかタクシーの2択
です。マルシュルートカは乗り合いバスですからこちらの方が圧倒的に安いので、節約のた
め当初はこちらを利用する予定でした。
ただ、空港でタクシーの運転手に声をかけられたので、まずは値段交渉してみることに。キ
ルギスの物価はかなり安いので、タクシーを利用してもそこまで大きな出費にはなりません
。また、通常のタクシーも基本的にメーター搭載車ではないので、交渉が必要な場合が多い
です。
キルギスではロシア語が公用語となっているので、交渉はロシア語で。英語は通じないと考
えるべきでしょう。
地球の歩き方によれば市内まで400ソム(当時は1ソム=約2円)とあったので、300ソムを
提示したところ、こちらは二人だったので一人当たり300で600ソムならOKと。まあ悪くな
かったので、この値段で交渉成立。
現地人と思われる女性1人と相乗りになり、出発。その女性は途中の自宅とみられる場所で降
りていきました。
できればホテルまで行って欲しかったのですが、ホテルの場所はわからなかったようで、頑
張って探してくれたものの、最終的にはビシュケク駅で降ろしてもらいました。どちらにせ
よ翌日の列車の切符を駅で買いたかったので、これはこれで問題無し。
ちなみに最後にもう100ソム上乗せしてくれないかと頼まれました。結構仕事はしっかりし
ていましたし、最後に少し時間がかかったのでこれは気持ち良く支払いました。
以上、ビシュケクでの白タクシー実例です。これは私としては白タクに乗って成功だったの
かなと思っています。
北京(中国)での白タク事例
2015年11月にアメリカのニューヨークへ旅行に行ったのですが、その際北京で15時間ほ
どの乗り継ぎ時間があるフライトがあったので、あえてそのフライトを選んで中国に1泊し
てみることにしました。
到着予定時刻は本来現地時間の18:30だったのですが、まさかのエアチャイナが6時間遅延
…結局深夜1時過ぎに入国。本来はエアポートエクスプレス+地下鉄で宿まで行く予定だっ
たのですが、この時間だと市内への交通手段はタクシーとバスのみ。
時間があればインフォメーションで情報を得た上でバスを利用したいのですが、翌朝は8時
にはチェックアウトして天安門を見学、すぐに空港まで移動というスケジュールなので一刻
も早く休みたい状況。
よってタクシーを選択しました。タクシー乗り場へ向かったのですが乗り場が二つあり、ど
ちらに並ぶのかよくわからず。思案していると、「タクシー?」と英語で声をかけられまし
た。ああ…白タクだなと思い無視しようと思ったのですが、男はなにやらカードを見せてき
ました。
カードの表面には黄色い車体のオフィシャルタクシーの写真があり、Beijing Airport Taxi
Service(うろ覚えです)の文字が。
ということは、正式なタクシーの運転手が客待ちの時間を短縮するために、ズルをして建
物で客引きをしているのか、と早合点してしまった私は運転手についていくことに。
ついて行った先には普通の乗用車が。これは白タクかな…?とも思いましたが、国によっ
ては正式なタクシーも普通の乗用車と変わらない見た目のこともあったので、とりあえず
乗車。乗ったところメーターも何もない普通の乗用車だったので、ここで初めて白タクで
あることを確信しました。
ここで本来なら料金を確認すべきだったのですが…飛行機のディレイでかなり憔悴してい
た私は、相場の倍くらいなら払ってもいいやと考え、値段交渉せずに出発。
運転手は英語を多少話しましたが、完全に片言レベル。途中で中国語が混じってくるよう
な感じです。少し走ったところで運転手から料金表を見せられました。Airport→Cityの
欄には「¥800」の文字が。
「え、800円?そんなに安いのか」と思った私は二つ返事でOK。
オチを言いますと、料金は800円ではなく800元だったという結末です。その時のレート
で1元=約20円なので、とてつもない法外料金です。あとで調べたところ人民元も日本円
と同じ「¥」マークを使うそうです。知らなかった…
地球の歩き方に書いてあった相場が100元、深夜料金があるようでそれがどれほどかは正
確にわからないのですが、せいぜい高くて200元程度でしょう。
実に相場の4倍の値段。手持ちがなかったので、ATMで現金を下ろしてくるよう指示され
たのですが、いくらなんでも高すぎると抗議。しかし向こうからしたら一度800元で合意
していると思っているわけですから、全く歩み寄る気配はありません。事前の値段交渉で
あれば多分400元くらいまでは行けたでしょう。
で、粘りに粘った結果、向こうから600元ならいいとの譲歩が。正直これでも高すぎです
が、いかんせん時間が深夜2時を回っており、これ以上時間をかけることができなかった
ので渋々600元を支払いました。
以上、白タク事例を2点、成功例と失敗例をお届けしました。次回記事では以上の事例を
踏まえた上で、白タクを利用する上で気をつけたいポイントをまとめてみます。