中央アジア旅行記(10)|カザフスタン編③トルキスタンの大衆浴場「バーニャ」

トルキスタン2日目

まだたったの2都市にしか行っていませんが、はやくも中央アジア旅行記がパート10になってしまいました。自分でも一体何パートになるのか、予想がつかない状況です。

前日に世界遺産のコジャ・アフメド・ヤサウィ廟を見てしまったので、この日はこれと行って予定がありません。ただ、午前中は行くところが一箇所できました。

実は宿泊している宿のシャワーが壊れていました。その前の日も夜行列車でしたから、シャワーを2日連続浴びられていない状況。まだ冬だから良いものの、夏場だったら大変だったでしょうね。

そこで向かったのが、日本でいうところの銭湯のような場所。友人が持っていたガイドブックによれば現地語で「モンシャ」という名前らしいのですが、現地人にその名前を訪ねてもピンとこない様子。

発音が悪かったのかはわかりませんが、ロシア語でロシア式のサウナを意味する「バーニャ(баня)」で通じるようです。場所を訪ねてみたところ、大通りを挟んで向かい側にあるとのこと。

向かい側に行くには大通りを普通に渡ってもいいのですが、地下道があります。現地人には通りを渡る人もいましたが、横断歩道や信号はないので少々危険です。

地下道を通って大通りの反対側に到着。総じて言えることですが、とにかく地面が悪いところが多いです。巨大な水たまりができていますし、ぬかるみだらけ。靴の裏が泥だらけになってしまいます。

バーニャに向かう前に食堂へ立ち寄りました。大衆食堂のような感じで、名前は忘れてしまいましたが麺の入ったスープ料理を食べました。

帰り際にバーニャの場所を訪ねてみたところ、なぜか店内にいたご婦人が皆そろって「ああ、それならあっちよ!」と大合唱状態で教えてくれました(笑)地方都市ならではの、親切さを感じます。

バーニャ初体験

さて、食事を終えたらバーニャに向かいます。少し探しましたが、それほど迷うこともなく到着。

ネットで調べたところ、なんとロシアなどの旧ソ連の国にあるバーニャを検索できるサイトがありました。カザフスタンも対応。トルキスタンのバーニャを探したところ、私が行ったところが出てきました。こちらからそのページに飛べます。

日本の銭湯と同じく入り口で料金を支払い、男女別の入り口から入ります。更衣室は日本の銭湯に慣れていると、ちょっと面食らうかもしれません。プールの更衣室がより汚くなった感じというと伝わりやすいでしょうか。

スノコの上を歩きますが、床は泥水が流れています。スノコもあまり綺麗ではないので、足の裏は洗ったあとでもすぐに汚れてしまうでしょう。

荷物や着替えはロッカーに入れますが、鍵がかからないので貴重品やパスポートは宿に置いてきました。少額の現金をポケットに入れて持ってきたのみです。警官を見かけることもなかったので、パスポート不携帯で罰金を科せられる、といったこともないかと思います。

更衣室にある桶を持って、浴場に向かいます。

浴場もなかなか面白い造りになっています。日本の銭湯のように浴槽はありません。3箇所くらいからお湯がけっこうな勢いで垂れ流し状態になっているので、そこから桶にお湯を汲んできて体を流します。

当然ですが、石鹸などの備え付けはありません。浴場はそれほど広くはないので、人が入り乱れている状況はなかなかカオスです。

帰り際に着替えていると、現地の人からカザフ語で話しかけられました。確かに日本人はとは顔立ちが少し似ていますし、そもそも海外からの観光客がバーニャに来ているとは思いもしないですしね。

ロシア語で日本から来た観光客だから、なんて言ったかわからなかったと伝えると、やはり珍しく思われていました。

日本の銭湯に比べたら快適とは言い難い場所でしたが、非常に面白い場所でしたし、貴重な体験ができたと思います。トルキスタンに限らずバーニャがある国に旅行したときは、ぜひバーニャに行ってみてはいかがでしょうか。