ロシア語講座|アルファベット編(5)子音字の分類〜無声子音①
音の無い”無声子音”
以前の記事では、”有声子音”に分類されるロシア語のアルファベットを6つ紹介しました。
今回は有声子音とは対になる存在である、”無声子音”を6つ紹介していきたいと思います。
無声子音というのはその名の通り声を出さない子音字のことで、文中では口の形と息のみで発音されます。
有声子音と対応する無声子音
以前紹介した有声子音の数は6つ、今回紹介する無声子音の数も6つです。これにはちゃんと意味がありまして、実は有声子音と無声子音にはペアとなるものが6組存在するのです。
せっかくなので、どの有声子音とどの無声子音がペアになっているのか、アルファベットを覚えるついでに知っておいた方が良いと思い、この順番で紹介するとこにしました。
この対応がどういう意味を持つのかということは、いずれロシア語の発音規則を説明する時に、一緒に説明したいと思います。
では、早速6つの無声子音を見ていきましょう。
К к「カー」
英語の"K"と形が似ていますが、微妙に違ったりします。単語中での発音(=音価)は英語とほぼ同じで「ク」。
有声子音の”Г”と対応しています。
П п「ペー」
見慣れない形ですが、とてもシンプルなので覚えやすいでしょう。音価は英語の"P"に似ていて、「プ」と発音します。
有声子音の”Б”と対応する無声子音です。
С с「エス」
形こそ英語の"C"ですが、アルファベット名は「エス」。混乱してしまいそうですが、音価は「ス」なので、英語のCと発音が似ていなくもないと言えそうです。
有声子音の”З”と対応します。
Т т「テー」
英語の”T”と同じ形をしており、音価もほぼ同じで”トゥ”。ただ、あくまでこれは日本語の表記上のものなので、母音を入れずに発音します。
有声子音の”Д”と対応しています。
Ш ш「シャー」
英語のEを横にしたような形です。文中では「シ」と発音しますが、そのままカタカナ読みではなく、Ж(ジェー)と同じように、舌を引いて発音します。日本語の”シ”よりはややくぐもった音です。
有声子音の”Ж”に対応しています。
Ф ф「エフ」
英語の"F"とアルファベット名は同じですが、形は全く違います。音価は「フ」となりますが、”В”を発音するときのように、下唇を軽く噛んで発音しましょう。
対応する有声子音は”В”です。
有声子音と無声子音が対応するとは?
今回、無声子音を紹介するにあたっては、対応する有声子音があるということをお伝えしてきました。
”対応する”というのは、簡単に言えば”発音が入れ替わる”ことがあるということです。
例えば、有声子音の”Г”と無声子音の”К”はそれぞれ対応するペアですが、発音規則により表記上は”Г”となっていても、実際には”К”の音価”ク”の発音になることがあります。
逆の場合も同様で、表記が"К"となっていても、発音が”Г”の音価”グ”となることがあります。
この発音規則はまたの機会に説明したいと思いますが、それほど難しいものではないので、あまり身構えなくても大丈夫でしょう。
残りの有声子音と無声子音は、次回の記事で紹介していきたいと思います。