ロシア語短文和訳|No.07「二つの意味での記念日」

いつもはツイートまとめ記事としてお送りしているこのコーナーですが、今回はこの記事のために文章を一つ和訳してみました。

題材として選んだのは、以前その美貌が話題となったクリミアの検事総長ナタリア・ポクロンスカヤ(Наталья Поклонская)氏のFacebookページに投稿された文章。

ロシア語の勉強も兼ねて、フォローしてみてはいかがでしょうか。もっとも政治の話が絡んでくるので文章の難易度は高めですが。

3月18日は「二つの意味での記念日」


では、まずは全文訳を先に示したいと思います。

「私にとって3月18日は二つの意味での記念日です。それは私の誕生日というだけでなく、クリミアとロシアの統合の日でもあります」

[単語](*アクセントのある音節は太字)
март(男)3月/являться(不完)〜である/двойной(形)二重の
праздник(男)記念日/день рождения(男)記念日/воссоединение(中)統合

文章がハイフンで繋がれていますが、これは前後の意味のつながりを示すもので、文法的には別々の二つの文と考えます。

前半の文は、まずдля меня〜で「〜にとって」。дляのあとは生格になります。主語になっているのは18(восьмнадцатый) марта「=3月18日」です。мартが生格になって18を修飾しています。

ロシア語ではふつう、「○○は〜である」という文章を現在形で作る時、英語であるbe動詞に当たるбытьは省略されます。ただ、この文章ではあえてявлятьсяを動詞として用いています。意味はбытьを省略して使った文と大差ないのですが、являтьсяを使うとより格式張った表現になります。

ся動詞ですので、目的語は造格になります。двойной праздникは造格となり、двойным праздникомと変化。

двойнойは辞書で引くと「二重の」という意味が出てきますが、ここでは自然な日本語となるよう「二つの意味での」と訳してみました。

では、次はэтоから始まる後半の文章です。ここでは使用頻度の高い表現である「не только A , но и B」が使われています。

この表現は「Aだけでなく、Bでもある」という意味を表すもので、英語で言うところの「not only A, but also B」と同じものと考えてよいでしょう。

не толькоのあとにмой День рожденияが来ているので「私の誕生日だけでなく」。

но иの後ろですが、まずДеньвоссоединениеの生格воссоединенияが修飾し、воссоединенияКрым(クリミア)の生格Крымаが修飾しているという構造です。

何との統合(воссоединение)なのかは、前置詞сのあとに生格にした名詞を置いて示します。ここではРоссияが生格のРоссиейに変化しています。

和訳の解説は以上となります。解説についての質問がありましたら、お気軽にお寄せください→aks.fm