コンペって何?|楽曲コンペについて説明します
コンペについての記事を何本か書いてきましたが、そういえばコンペそのものがどういうものなのかという記事を書いていなかったなと思ったので、コンペについてよく知らない方向けに解説を書いてみることにしました。
コンペ=Competition(競争)
コンペという言葉自体は、”ゴルフコンペ”などといった使い方で聞いたことがあるのではないかと思います。あるいは、東京オリンピックのエンブレムもコンペで選出されていましたから、ニュースで耳にしたこともあるでしょう。
コンペという言葉は英語のCompetiton=「競争」という単語から来ています。文字通り楽曲を集めて”競争”させるのが楽曲コンペなのです。
これだと具体的なイメージが湧きにくいと思いますので、実際のコンペの流れを説明してみます。
コンペの流れはこのような感じです
とあるアーティスト”A”の時期シングルが出ることが決定しました。そのためには表題曲はもちろん、カップリングも含めて何曲か曲が必要です。
この時、曲をどのようにして用意するかという選択肢は、大きく分けて3パターンになります。
1つ目が、「今回はあの作曲家さんに曲を書いてもらおう」と直接依頼をする、いわゆる”決め打ち”というものです。
2つ目が、この記事で説明していくことになる”コンペ形式で曲を集める”という選択肢。コンペで曲を集めるということが決まったら、楽曲の発注をかけます。かなり大雑把に言えば「〇〇というアーティストの曲を、曲調はこんな感じで、締め切りは○日までにお願いします」という内容のメールを、事務所を通して作曲家に届けるわけです。
そして発注メールを読んだ作曲家が曲を作り、事務所を通して提出します。最終的に集まった曲を制作サイドが聴き、これだと思った楽曲が採用されるというわけです。
採用されなかった楽曲は?
先ほど曲を用意するための選択肢が3パターンあると述べましたが、3つ目は”キープ楽曲から採用する”パターンがあります。
キープ楽曲って何?という話なので、そこから説明します。
コンペに提出された楽曲のうち、採用されなかった楽曲がどうなるのかというと、まず基本的には作曲家に返却されることになります。返却された楽曲は他のコンペに出そうがどうしようが自由です。
一方、一コンペに採用されなかった楽曲の一部は”キープ”される場合があります。楽曲がキープされるということを簡単に説明すると、「今回は採用されなかったけど、また別な機会に使わせてもらうことがあるかもしれないから、曲を預からせてください」ということですね。
その”別な機会”があるかは不明ですが…キープされた楽曲は当然ながら返却の連絡があるまで他のコンペに出すことはできません。
この”キープ”に過度な期待を寄せるのは禁物なのですが、実際キープになるだけでも精神的にはありがたいです。キープされるレベルの楽曲を作れていれば、他のコンペで採用される可能性があるということですから。
コンペについての説明はこんなところでしょうか。ご質問等ございましたら、お問い合わせフォームよりお送りいただければと思います。