”クワスの素”を使って自家製クワス作りに挑戦(2)〜翻訳編②〜
「前回の記事」:”クワスの素”を使って自家製クワス作りに挑戦(1)〜翻訳編①〜
”クワスの作り方”を翻訳する
では、今回は”クワスの素”のパッケージ裏に書いてある作り方を日本語に訳していきたいと思います。
Возьмите из коробки 1 пакетик солодового концентрата и 1 пакетик сухих дрожжей, а также дополнительно 1 стакан сахара, либо немного меньше(по вкусу):
「箱から麦芽でできたインスタントの袋を1つと、ドライイーストの袋を1つ取り出してください。加えて砂糖を1カップ、あるいは少し少なめに(味付けのため)」
「単語」
взять:(完)取る/коробка:(女)箱/пакет(ик):パッケージ、袋/солодовый:麦芽の、麦芽で作った/концентрат:(男)(乾燥、濃縮した)インスタント食品/сухой:乾燥した/дрожжи:(複)イースト/также:(副)〜もまた、さらに/дополнительно:(副)そのうえ、補足として/стакан:(男)カップ/сахар:(男)砂糖/либо:(接)あるいは(=или)/немного меньше:少し少なめに/по вкусу:味付けのために
単語の意味がわかればそれほど難しくはない文章だと思います。どこが生格に変化しているかという点だけに気をつけましょう。
взятьの変化は特集なので注意。人称変化はвозьму, возьмёшь, возьмёт, возьмём, возьмёте, возьмутとなります。命令形はвозьми(-те)です。
そういえば、以前作ってみたときには砂糖を入れたものの、1カップも入れなかった気がしますね…今回の挑戦ではしっかり1カップ入れたいと思います。
ちなみに箱の中にはこのような2種類の袋が2つづつ入っていました。
①Подержите пакетик с концентратом в горячей воде, чтобы размягчить содержимое.
「中身をやわらかくするため、インスタントの素入りの袋をお湯につけてください」
Налейте в чистую банку 3 л теплой воды(30-35℃), добавьте солодовый концентрат из пакетика и сахар, хорошо перемешайте.
「清潔な瓶に3ℓの温水(30-35℃)を注ぎ、袋から麦芽でできた素と砂糖を加え、よくかき混ぜてください」
「単語」
подержать:(完)保持する、ある時間〜の状態におく/размягтить(完):やわらかくする/содержимое:(中)内容物/налить:(完)満たす、いっぱいに注ぐ/чистый:きれいな、清潔な/банка:(女)瓶、壺/тёплый:温かい/добавить:(完)付け加える、補足する/перемешать:(完)かき混ぜる
作り方の手順書なので、動詞のほとんどが命令形を取っているのが特徴的です。чтобыは前後の動作の主体が同じである場合、後ろに来る動詞は不定形です。
”чистую банку”は”чистая банка”の対格です。「налить + в + 〜(対格)」で「〜を満たす」と覚えておきましょう。
②Равномерно рассыпьте сухие дрожжи на поверхности жидкости в банке(не перемешивая)
「瓶に入った液体の表面にドライイーストを均等に振りまいてください(かき混ぜずに)」
「単語」
равномерно:(副)均等に、均一に/рассыпать:(完)<粉状・粒状のものを>こぼす、ばらまく、移し分ける/поверхность:(女)表面/жидкость:(女)液体/перемешивать:(不完)かき混ぜる
рассыпатьは粉状のものに対して使われる動詞であることがポイントです。
ьで終わる名刺は男性と女性の2パターンありますが、”-ость”の形の名刺は女性名詞となります。поверхностиは単数前置格か複数対格の2通りがあり得ますが、”表面”を複数形で表すのはおかしいので、前置格と考えるのが妥当でしょう。жидкостиは生格。
”перемешивая”はперемешиватьの副動詞です。不完了体動詞の場合は動詞の現在語幹にяをつけて作ります。
”перемешивая”のみでしたら「かき混ぜながら」となるわけですが、ここではнеが付いているので「かき混ぜずに」となるわけです。
③Накройте банку чистой салфеткой. Оставьте сосуд с квасом в тёплом месте(20-24℃) на 24 часа.
「瓶をきれいな布で覆ってください。クワスが入った容器を暖かい場所(20〜24℃)に24時間放置してください」
「単語」
накрыть:(完)覆う/салфетка:(女)ナプキン、布/оставить:(完)残す、置いておく/сосуд:(男)<ガラス・金属・陶器などの>容器
"Накройте"は少し特殊な形ですが、命令形です。”открыть”「開ける」も同じように命令形が”открой(-те)”となりますので、合わせて覚えておくと良いでしょう。
”чистой салфеткой”は動作の手段を表す造格です。
”20-24℃”の読み方は、「двадцати-двадцать четырёх градусов」となります。
④По истечении 24 часов плотно закройте крышкой и поместите квас в холодильник.
「24時間経過後しっかりとふたを閉め、クワスを冷蔵庫に入れてください」
「単語」
по истечении 〜(生格):〜経過後/плотно:(副)密に、ぎっしりと、ぴったり/крышка:(女)ふた/поместить:(完)入れる、置く
”закройте”は”закрывать”「閉める」の命令形です。日本語では訳を「ふたを」としているため、крышкаは対格になりそうな気もしますが、ここでは造格になっています。”ふたを用いて”瓶の口を閉じるというニュアンスから、そうなっているのでしょう。
Охлажденный квас можно подавать к столу как прохладительный напиток, так и для приготовления окрошки!
「冷えたクワスは冷たい飲み物として食卓に出すこともできますし、オクローシカの材料にもなります」
「単語」
охлаждённый:охладить(完)「冷やす」の被動形過去/подать:(完)出す/стол:(男)机、食卓/прохладительный напиток:(男)冷たい飲み物/как…так и 〜:…も、〜も
被動形動詞過去は動詞の語幹が母音で終わる場合、「-енный/-ённый」を後ろにつけます。あとは「как…и так〜」の意味がわかれば特に難しいところはないですね。
オクローシカはクワスを使って作られるスープ。ウラジオストクに行った時レストランで注文しました。美味しいですが、なかなか風変わりな味です。
さて、これでようやくクワスの作り方を翻訳することができました。次回からは実際にクワスを作る場面を記事にしていきたいと思います。