低音を付加できるプラグインWaves「Renaissance Bass」レビュー
EQのブーストでは得られない低音を付加できる「R-Bass」
現在、もっともよく使うプラグインの一つを挙げるとすれば、迷わずこの「R-Bass」をその一つに選びます。正式名称は「Renaissance Bass」ですが、DAW上でも略称のR-Bassが表示されます。
EQは特定の音域をブーストしますが、このR-Bassは低音を”付加”するプラグインです。
EQの効果はあくまでブーストなので、元々の音色に低域が足りていなければいくらブーストしても十分な低域を出すことができません。
反面、R-Bassの効果は低域を”付加”することなので、低域成分が足りていない音色にも迫力のある低域を足すことができます。
もちろん、音色選びの段階で低域の豊かな音色を選ぶことが重要なのは言うまでもないのですが、生ドラム系のキックはそのままだと低域が物足りないものが多いです。
なので、生ドラム系のキックにはほぼ必ずと言っていいほど挿しています。
低音を付加する仕組みは?
どういう仕組みで低音を付加するのか、僕もよくわからないまま使っていたのですが、販売ページから飛べるユーザーガイドに仕組みが書いてありました。
肝心な部分は企業秘密としながらも、”ミッシング・ファンダメンタル”という現象を利用しているそうです。
ガイドで例としてあげられているのがラジオです。ラジオのスピーカーの性能では、ベースパートの基音は再生することができません。しかし、その上にある倍音は再生させるので、聞き取ることができます。
すると、人間の脳はその聞き取った倍音から勝手に基音を補完するので、聞こえないはずの基音が聞こえるように錯覚するという現象です。
倍音を付加することで”ミッシング・ファンダメンタル”を意図的に発生させることで、低音を付加するというのがR-Bassの仕組みということだと思います。(英語に堪能なわけではないので、誤りがあるかもしれませんが…)
生ドラム系のキックにR-Bassを挿してみると
R-Bassの効果を実感するには、やはり実際に音を聴いてみるのが一番です。なので、聴き比べ用の音源を用意してみました。
生ドラム系の音源は、Superior Drummer2.0を使っています。いい音源なのですが、キックはどうもEQでブーストするだけだと低域が物足りないです。
まずは、EQでブーストしたキックとR-Bassで低域を付加したキックを、単発で聴き比べてみます。
キック単体(エフェクトなし)
キック単体(EQ使用)
わかりやすいように、低域をシェルビングで思いっきり持ち上げています。
キック単体(R-Bass使用)
R-Bassで低域を付加したキックです。ヘッドフォンで聴くとよくわかると思いますが、EQのブーストに比べてさらに低い帯域がしっかり出てきています。
次は、ドラムセット全体で聴き比べてみます。
ドラムセット(EQ使用)
ドラムセット(R-Bass使用)
キックには他のエフェクトもかけていますが、EQとR-Bass以外のセッティングは共通です。ドラム全体で聴くとより違いが鮮明になってきます。
最後に、オケ全体で。
オケ全体(EQ使用)
オケ全体(R-Bass使用)
オケ全体で聴くと少しわかりにくくはなりますが、R-Bassを使用したものの方が低域の迫力に優っていると思います。
使い方
簡単に使い方にも触れておきます。
上部にある"Freq"のスライダーで低域を付加したい帯域を選択。左にある"Intensity"のスライダーで低域を加える量を決めます。
低域を加えるとレベルも持ち上がるので、右にある"Gain"のスライダーで出力レベルを調整します。
プリセットも用意されているので、そこから調節してみるのもいいと思います。
価格も安いので気になったら即購入がオススメ
肝心のR-Bassの価格ですが、一応レギュラープライスが$79と言うことにはなっていますが、セール価格で販売されていることがほとんどなので、実質的には$29です。
あとは、Platinumバンドルにも含まれているので、こちらを買ってしまうという手も。最近はPlatinumもセール価格が当たり前になっていることですし…
プラグインの効果を考えると、かなりお買い得だと思います。もし自分の楽曲の低域に迫力が出ない、生ドラム系のキックが前に出てこないという悩みがあったら、迷わず導入して良いプラグインだと思います。
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